SOMEHOW
少し大きめに声を出したつもりだったんだけど、実際はつぶやくほどの声量でしかなかった。

だけどちゃんと裕也君の耳には届いていたみたいだった。

私の肩を掴んで、思いっきり身体を離された。

そして私と裕也君の視線が絡み合い、瞳には小さな私が見えた。




「今の、本当?」

「本当だよ・・・私は最初から、裕也君が一番だったんだよ・・・?」






「俺も、理緒が好きだ。」


そうしてまた裕也君に身体を抱きしめられた。

さっきよりも少しだけ力強く。だけど変わらずに優しい腕の中。

ずっとずっと夢見てたんだよ?

この温もりが欲しかった。私だけを見つめる瞳が欲しかった。



・・・これは、夢じゃないよね?


私は確かめるように裕也君の背中に腕をまわした。

二人の体温が重なり合って、また新たな温もりが生まれる。

お互い少し離れたと思ったら視線が交じり合って、そのまま惹かれあう。

そして重なる二人の唇。





私は今、世界一幸せになれた気がした。
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