SOMEHOW
理緒はさっきよりも大粒の涙を流しながらそう答えた。

一体何されたんだ。こんなにも理緒が怖がるなんて・・・っ!

俺は気になったけど、今それを言わせてまた思い出させたらいけないと思ってそれ以上は聞かなかった。

理緒の身体の震えがどうかおさまるように、ただ優しく抱きしめ続けた。

すると理緒は俺の背中に腕を回して、そっと抱きしめ返してくれた。


・・・すげぇ嬉しい。

俺はまだ嫌われてないんだ、って思えた。

理緒の温もりがすごくあたたかくて、幸せだった。

俺に比べたら全然力のない腕が愛しくて、可愛くて。

片方の腕を理緒の背中から離して、理緒の頭をそっと撫でてやった。





「俺が・・・俺がいるから。安心しろ。」
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