SOMEHOW
「そっかー。」


ほらね、流されちゃった。まぁ期待してなかったから別にいいけどさ。

ちょっとくらい聞いてくれてもいいのに。



「なぁ、腹減ったから何か作ってよ。」

「はいはい。今日は何がいいの??」



最近の私は裕也君の希望にこたえられるように、家でも料理してんだよ?

手伝わされて、とかじゃなくてさ。自分から。

でもさすがに揚げ物はまだ出来ないけどね。



「肉系が食いてぇ。最近食ってないんだよね、肉系。」

「それじゃあハンバーグでいい?」

「おー、オッケオッケ。・・・作れんの?」



“作れないだろ?”みたいな目をしながら意地悪な笑みを浮かべる裕也君。

馬鹿にしないでよねー?ハンバーグだって、家で何度も作ってるんだよー?


「作れるに決まってんじゃん!」


ちょっと自慢げに答えてみせる。

ぜぇったいおいしいって言わせるもんね!


「焦がしまくるなよー?」


失敗すると思ってるのか、意地悪な笑い。

そうして裕也君はまたテレビへと視線を移した。

私はそんな裕也君を横目に、キッチンへと向かう。




< 22 / 217 >

この作品をシェア

pagetop