SOMEHOW
―第5話―

Rio

幸せすぎて忘れていたよ。

“本当の彼女”の存在なんて。



- Side Rio -



「へぇー・・・私の知らないところで、そんなことがあったんだ。」

「うん・・・。」


今は授業も全て終わった放課後の誰もいない教室。

私は今までに裕也君とあったこと全部を由希に話した。


「さすがにキスはびっくりしたけど・・・嫌じゃなかったんだよね。」


海でのことも、キスのことも、由希は何も言わず聞いてくれた。


「・・・でもさ、理緒はそれで寂しくないの・・・?」

「えっ?」


急に視線をまっすぐ私に向けて話し出すから、びっくりした。

“寂しい”って、どういうこと・・・?
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