SOMEHOW
「だって、裕也君には彼女がいるわけだしさ。」


そうだよ、裕也君には“本当の彼女”がいるんだよ・・・。

嬉しかったことばっかりが頭に残ってて、彼女の存在なんて忘れてた。

確かに私は“遊び相手”だけど。
でも・・・でもね?


「私は、裕也君が好きなの。もうずっとずっと好きなんだよ?

今更想いを消すなんて出来ないし、“遊び相手”でもいいからそばにいたいって思うんだ。

もうどうしようもないくらいに好きなの・・・。」


彼女の存在を考えるだけで胸が締め付けられるけど、それでもやっぱり好きだから、

どんな手段であっても、そばにいたいって思っちゃうんだよ・・・?




――ガラッ!

そう思って由希に言った瞬間、教室のドアが開いた。

静かな教室にいるせいか、すごく大きく響いたような気がした。




「今の話・・・本当か?」

「・・・っ!?」
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