SOMEHOW
ドアの前に立っていたのは、石原 陸(イシハラ リク)だった。

私の一番仲のいい男友達で、よく一緒に遊んだり話したりしてる。

陸はすごく驚いたような困ったような、そんな表情をしてた。



「いつから・・・聞いてたの?」


聞かれてたなんて全然気がつかなかった。

どうしよう・・・もしバラされたりしたら、私だけじゃなくて裕也君も迷惑だよね・・・。

やだ。もしそんなことになったら、遊べなくなるどころか嫌われちゃうよ・・・っ!



「最初の方から。・・・ごめん。聞くつもりはなかったんだけど、教室に入りづらい雰囲気だったから思わず聞いちゃった・・・。」

「そっか・・・。でも今聞いたこと、誰にも言わないでね?」

「あぁ、バラしたりなんかしないよ。」


よかった。陸が優しい人で。

バラされたら本当に、大変なことになるところだよ。

これからこの話をするときは、学校じゃなくて別の場所にしよう。

気をつけなきゃ・・・。
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