不器用な僕たちは……



家から1番近い文具店






木で出来ていて





歩くとギシギシと言う







でもそんなトコが好き








大体売ってるのは絵の具の道具ばかり












まぁアタシにとっては良いんだけど









なんとなく落ち着く……









『あれっ?澪ちゃん?』







『えっ杉山先生…!』







………






『そっかぁ~澪ちゃん美術部なんだぁ~』








『先生も絵の道具買いにきたの?』









『うん 趣味で描いてるの


てか、あの店の雰囲気が落ち着くんだよね』











なんだか杉山先生ってアタシが思ってた先生とは違うかも……






『ねぇ澪ちゃん……
私ね……両親が死んでるの』










『ごめんなさい

アタシ、知ってるの…

先生が古橋先生と血の繋がってない兄弟だって……

ごめんなさいこんなこと……

ホントは知られたくないのに…』











『なぁ~んだ知ってたの

別に良いの 知られたって


私もごめんなさい



澪ちゃんの両親が亡くなったこと…翼から聞いたの…』












『先生から……』








ズキンとアタシの中のどこかが傷ついている










『私……翼の家族と家族になれて良かった……


死んだ両親はあまり好きじゃなくて…』









似てる












この人はアタシと少し似てるのかも











『澪ちゃんっ!アタシ応援するから!


翼との恋!!!』










え⁈











『てゆーか先生と生徒の恋なんて…



あーん♡めっちゃステキ〜♡






でも気を付けて!




禁断の恋なんだからそれなりと覚悟しとかないと!





翼のことならなんでも教えてあげるから!♡』










『ふふっどうも♡』








『あーぁ~…私澪ちゃんみたいないもうとが欲しかったなぁ~…


あんな可愛げの無いおとうとを持つなんて……』









『え⁈杉山先生の方が古橋先生より年上なの⁈』






『うん

2歳だけだけど


一緒に住んでたときは毎日こき使ってたよ笑』









『今は杉山先生はどこに住んでるの?』











『実家

あの家はなるべく出たくないの』









『ふぅ~ん』









それから杉山先生と色んな話しをした








これからは恵那ちゃんって呼んで、とか








古橋先生は中学の時に野球部に入ってた






坊主はイヤだといって絶対にしなかったとか








捨て猫を拾ってきて頑固なお父さんにも負けず飼おうとした








今も行きてるらしい









高校では卓球部に






野球はキツすぎて死ぬんだとか







因みにアタシと先生が車で一緒に帰るのを見て塾長にチクったのは生徒だとか








恵那ちゃん塾長に
「あれは塾の生徒ではなく古橋先生の近くに住んでる娘ですよ
仲がいいみたいで」
と言ってくれたらしい


















なんだかアタシは恵那ちゃんのことを勘違いしていたみたい













恵那ちゃんとはいい友達になれそう♪



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