不器用な僕たちは……

かじかむ頃





帰りの会が終わったあと

















直ぐに花壇へ向かった




















さすがにまだいない
























と、思ったら



















先生は私服姿で花壇の近くに立っていた
















『先生、早いよっ』














『そう?』














『そうだよ!ゴメンね待ったでしょ?こんな寒い中ゴメンナサイ…』















『そんな待ってないよ
それに俺、寒がりじゃないから大丈夫

さっ始めよ』















『じゃあ花壇のレンガの部分作りましょーっ』














『マジすか
結構大変じゃん』















『そーゆーもんだよ
お金は学校が出してくれるし』

















『お金?笑』














『お金デス笑』












そう良いながら作業を始める













ふと先生の手を見る















真っ赤じゃん……



















寒がりじゃないなんて…

















そんなウソつかなくていいのに……



















アタシの手が先生の手の方へのびる






















『冷たい……』
















重なり合う2人の手




























2人共顔を見合わせる























『金原さんは温かいね…』


























なっ……!!!アタシ何してんの!!
























直ぐに先生から手を離した


















『軍手、持ってくる…!!!』



















『え?あぁ…ありがとう…』





















ホント何してんの…!!!












先生に触れた手が凄く熱い




















早足が段々と遅まっていく






















『あぁ〜……』






















アタマの中がグチャグチャになって













『せんせい………』























『金原さんっ⁉大丈夫⁉』












え?


















『先生…』


















『お腹でも痛いの?』















いつの間にかアタシはうずくまっていた















『金原さん、様子が変だったから着いてったんだ
ゴメン』
















『だっ大丈夫!全然なにも無い!軍手、倉庫の中だから持ってくるだけだから‼』
















先生に心配かけるなんて……















『そう…?一緒に行こっか?』

















もぉー……






















優し過ぎ………




















『大丈夫だよ。先生は待ってて?』


















心配そうな顔をしながらも












『わかった』












そう言って花壇へ行った
















< 73 / 93 >

この作品をシェア

pagetop