不器用な僕たちは……
『はい、どーぞ』
『ありがと』
『や~…寒いネやっぱ
金原さん手ェ貸して?』
そう言ってアタシは手を差し出す
先生はせっかくつけた軍手を外して
アタシの片手を大事そうに両手で包み込んだ
『金原さんの手、まだ温かいネ
人間ホッカイロ?笑』
『そりゃずっとポッケに手ェ突っ込んでますから笑……』
『でもさすがに作業してれば冷たくなるよ』
『かじかむ頃だもんなー』
あの……
まだアタシの手、離さないけど……
なんだか自分だけドキドキしてるみたいじゃん
なんかムカついてアタシは最大の力で先生の手を握り返した
先生は驚くんじゃなくて
微笑んだ
『そうだね……』
作業をしようと先生はするするとアタシの手を離す
ホントは
離したくないんだよ