不器用な僕たちは……

…澪…

『はぁ〜〜………』

『な~に大きなため息なんてしてんの!!
シワが増えるぞ‼』

『だぁって~…』

塾が一週間休みだっていうから先生と全然会えてないんだもん……

『会いたいよぉ…』




『そんな元気のない澪に大ニュース!』


『転校生のこと?』






『なんだ知ってたの~?』


『そりゃ2、3日前から噂になってたじゃん笑』


『じゃあ男だってことも?』



『へぇ、男なんだ』



『最悪だよね
またうるさいのが一匹増えるんだよ?』


『まぁ賑やかになるんだからイイじゃん笑』







『そーだけどー……
あっ来たんじゃない⁈』











『はーい静かにー
まぁ知ってのとーり、今日からこの2年1組の仲間になる子を紹介するぞー』









教室に入ってくる中学生にしては大きな背









アタシ達の学校は学ラン






でもその人はブレザーで










やけに新鮮で









少し茶色がかった髪









軽く微笑むその顔















『…似てる……』




周りには聞こえない声で呟いた













『東京から来ました鈴木瞬(すずきしゅん)です
ここに来るのは初めてです
よろしくお願いします』












先生が指定した席はアタシの前の席









見つめすぎたのがばれたのか








目があってしまった










『よろしく』










目を少し細めるトコロまで似てる









『うん…よろしくネ…』













他人の空似というのだろうか














どうにかなりそう

























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