不器用な僕たちは……
…澪…






『さよーならー』






帰り&部活が始まるチャイムと同時に
次々と部活に急ぐ生徒達






アタシも花壇へと急ぐ













『はぁ……』






まだ先生は来てないか……








まぁ行けるかも、だから来れないかもしれないよね…









野球部の声が聞こえる






頑張ってるなぁ…






アタシも頑張らなきゃ…










今日は何しよう?







木曜日に花が届くって言ってたから…







『澪』






聞き覚えのある声がアタシを近くで呼んだ






笑顔でアタシは声の方へ振り返る






でも、聞き覚えのある声は








『瞬くん…』







手を大げさに突っ込んでマフラーに顔をうずめて立っていた





『…待ってんの?』





『え?』





『おじさんを』






『あぁ、翼さん♡』

つい語尾にハートがついてしまう笑






『やめとけよ

今日寒いしこんなんやってたら風引くぞ』




意外な瞬くんの発言にアタシは少し動揺を隠せなかった






『瞬くん優しい~笑』





機嫌を損ねたのか、その場を離れていく瞬くん





そんな背中に




『待つのなんか苦じゃないよー!!!』






なんて言葉をぶつける






待つのなんて、むしろハッピーだよ♡







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