【短編】羽根月
◇オレと彼女の関係
「里茉、オレ夏休み旅行に行きたいなー」

「…大地、学校では『安達先生』って呼びなさいね、って何度も言ってるでしょ?」

「えー?面倒くさいよ!誰もいないんだからいいじゃん」



眩しい夕日が差し込む、放課後の国語準備室。

国語教師である里茉と、生徒であるオレが校内で話しのできる唯一の場所だった。

──とは言ったってイチャイチャ出来そうで、なかなか出来なかった。

そりゃあさ、メールや電話も毎日してたし、土日にはこっそりデートもしてたけど…

──違うだろ?

触れ合うのに土日だけじゃ足りない。

メールや電話じゃなく、直接会って彼女の顔を見ながら話したい。

オレがワガママ言って、放課後たまにだけど…こうしてこっそり会うことになった。

もう少しラブラブできると思っていたのに!全くの予想外。

とにかく里茉が警戒しまくりだし。
ココじゃ触れる事も叶わない。


 【先生×生徒】

そう。オレ達は、ありがちな関係。

だけど世間では禁じられた恋愛。

そんな恋愛に酔っていたわけじゃないし
苦しい恋愛ってワケでもない。

純粋に里茉が好きで、二人で同じ未来を夢見ていた。

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