【短編】羽根月
オレは彼女の家に着き、八畳ほどの和室に通された。
多少、家は古いけどきちんと掃除してあって部屋の中央には重量感のある座卓が
さらに空気を重くしていた。
「…どうぞ」
里茉に似たお母さんがお茶を淹れてきた。
オレは軽く頭を下げ…向かいに座っている彼女の父親は
無言でお茶をすすった。
──うわぁ…ドキドキする…!
なんだよ、オレ!
やっぱり超ビビってんじゃん!
さっきまでの自信はなんだったんだよ!?
この和室の中にはオレと、彼女の両親の三人だけ。
父親の無言の空気に圧され
オレはすっかり気弱になっていた。
「…──名取、大地くんだったかな」
「は、はっ…ハイ!」
しばらく沈黙した後、お父さんは口を開いた。オレはビックリして背筋をピンと伸ばした。
「まだ高校生だそうだね。どういう経緯で娘と付き合っていたかは知らないが…
一般的に見て君はどう思う?」
「どう…と言うのは?」
「客観的に見て'教師と生徒'が付き合うという事が、好ましい事だと思えるのか聞いてるんだ」
「い…いえ」
「当然、歳の差の事だけじゃない。あの子は教師で君は生徒…どう見たって世間的に釣り合うものじゃないよ」
多少、家は古いけどきちんと掃除してあって部屋の中央には重量感のある座卓が
さらに空気を重くしていた。
「…どうぞ」
里茉に似たお母さんがお茶を淹れてきた。
オレは軽く頭を下げ…向かいに座っている彼女の父親は
無言でお茶をすすった。
──うわぁ…ドキドキする…!
なんだよ、オレ!
やっぱり超ビビってんじゃん!
さっきまでの自信はなんだったんだよ!?
この和室の中にはオレと、彼女の両親の三人だけ。
父親の無言の空気に圧され
オレはすっかり気弱になっていた。
「…──名取、大地くんだったかな」
「は、はっ…ハイ!」
しばらく沈黙した後、お父さんは口を開いた。オレはビックリして背筋をピンと伸ばした。
「まだ高校生だそうだね。どういう経緯で娘と付き合っていたかは知らないが…
一般的に見て君はどう思う?」
「どう…と言うのは?」
「客観的に見て'教師と生徒'が付き合うという事が、好ましい事だと思えるのか聞いてるんだ」
「い…いえ」
「当然、歳の差の事だけじゃない。あの子は教師で君は生徒…どう見たって世間的に釣り合うものじゃないよ」