【短編】羽根月
◇新しい世界
数日後──オレ達はアパートを借りて二人で住むことになった。
「大地?!何してんの!ビデオなんか撮ってないで大地も手伝ってよ!」
「ん?オレそういうのニガテだもん」
オレはビデオカメラのサブモニターに映し出された彼女を見ながら答えた。
「それよりこの部屋がいつまで綺麗なままかビデオに撮っておくんだ~」
「失礼ね!ちゃんと掃除するわよ!も~」
彼女は笑いながら部屋に運びこんだ荷物をほどいていた。
オレはそのまま部屋中を撮影する。
こんなのただの口実だったけど。
ホントは里茉を何かに遺して起きたかった。
でも普通に撮るんじゃ怪しまれるだろ?
オレは部屋中を撮るフリをして、実際は彼女ばかりを追っていた。
新しい食器。
二人で選んだ箸や茶碗。二人で選んだカーテンやテーブル。
新しい生活の為に二人で買い物をしていた時、里茉は凄く楽しそうだった。
それを部屋に運び込み、彼女は一つ一つを包みから出し、嬉しそうに眺めながら食器棚にしまっていた。
幸せそうな彼女
なんかさ──…
なんか…そんな彼女を見てるオレの方が幸せで幸せでしょうがない。
オレはもっと彼女の幸せな顔を見たくて正面に座った。
「大地?!何してんの!ビデオなんか撮ってないで大地も手伝ってよ!」
「ん?オレそういうのニガテだもん」
オレはビデオカメラのサブモニターに映し出された彼女を見ながら答えた。
「それよりこの部屋がいつまで綺麗なままかビデオに撮っておくんだ~」
「失礼ね!ちゃんと掃除するわよ!も~」
彼女は笑いながら部屋に運びこんだ荷物をほどいていた。
オレはそのまま部屋中を撮影する。
こんなのただの口実だったけど。
ホントは里茉を何かに遺して起きたかった。
でも普通に撮るんじゃ怪しまれるだろ?
オレは部屋中を撮るフリをして、実際は彼女ばかりを追っていた。
新しい食器。
二人で選んだ箸や茶碗。二人で選んだカーテンやテーブル。
新しい生活の為に二人で買い物をしていた時、里茉は凄く楽しそうだった。
それを部屋に運び込み、彼女は一つ一つを包みから出し、嬉しそうに眺めながら食器棚にしまっていた。
幸せそうな彼女
なんかさ──…
なんか…そんな彼女を見てるオレの方が幸せで幸せでしょうがない。
オレはもっと彼女の幸せな顔を見たくて正面に座った。