【短編】羽根月
「ねぇ大地?」

「ん?」

「なんでお父さんは同棲許してくれたのかな。大地、何て言ったの?」

「ヒミツ」

「えー?」

オレはちょっと答えをはぐらかした。
本当の理由なんか言えない…

まだ彼女は自分の病気の事は知らないはずだったから。

オレは逃げるように話題を変えた。

「ずっと一緒に居られるね。オレめちゃくちゃ幸せなんだけど…里茉は違うの?」

「バカね、もちろん幸せよ!」

彼女は笑顔で即答した。

オレはたまらず彼女をギュッと抱きしめた。

この幸せの先に待ち構えてるものなんか考えたくない。

考えられない。

今、目の前にある幸せだけを見てる。
それがどれほど刹那的であったとしても…

「大好きだよ…里茉」

「あたしも。大地が大好き」

「…ゴメンな、里茉を幸せにするって言いながら…オレの方が幸せになっちゃったみたいだ」

「フフ、そうかもね」

オレは彼女にキスをした。

「里茉…愛してる」

「ん…」

オレの情熱的なキスを彼女は上手に受け応える。

あ――…
ヤバい。

久々だから止まらないかも。

初夜だし…


オレはそのまま彼女を押し倒し

何度も何度も彼女を愛し続けた。

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