【短編】羽根月
いつもと同じ一日。

毎日が同じだと、そう思っているほうがオカシイのかもしれないけれど

オレは祈っていた。

この平穏な日常が永遠に続く事を

その延長線上にある幸せにたどり着く事を

やがて正式に婚姻し、子供を産み育てて
里茉と80歳くらいまで人生を共に歩む事を


オレは


…ずっと祈っていたかったんだ…




夕方、アパートに帰ると里茉の姿がなかった。

まだ実家かな…?

そう思ってオレはケータイを取り出し、里茉の実家に電話をかけようとした時、タイミングよく電話が鳴った。

「RRRR♪」

「わゎ…!あ、真奈か」

今や義理の妹!
真奈からの着信にオレはホッとして電話に出た。

多分、里茉がまだ実家に居るからとか何とか…そう言われるだろうと思って。

「もしもし!大地!?」

「よ!義理の妹よ」

「何バカな事言ってんのよ!お姉ちゃん帰ってない?!」

「バカとはなんだよ!で、里茉がどうしたって?アパートにはまだ帰ってきてないけど…里茉は何時頃に実家を出たんだ?」

「違うの!居なくなったみたいなの!」

「…は?」

「突然居なくなったの!携帯にも出ないし!捜してるんだけど…どうしよう…」
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