【短編】羽根月

今はまだムリだけど
時が経てば
あの頃に撮った里茉を観る事も出来るだろう。



『大地?!何してんの!ビデオなんか撮ってないで大地も手伝ってよ!』

『ん?オレそういうのニガテだもん。
それよりこの部屋がいつまで綺麗なままかビデオに撮っておくんだ』

『失礼ね!ちゃんと掃除するわよ!』

彼女は笑いながら部屋に運びこんだ荷物をほどいていたな。



──彼女を愛した自分を誇りに思う

きっと
あの場所にも
里茉を懐かしく思いながら行けるよな


そんな未来が早くくればいいな

里茉はオレの中で
永遠に生き続けて

記憶を辿ればいつでも逢える。

ずっと
ずっと



愛してるよ…里茉


「オレ達の家に帰ろう…里茉」




オレは隣に眠る
里茉の冷たい手を握った。






〈羽根月〉End。。
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