わたしから、プロポーズ
やり直したい?
瞬爾が、そう思っているというの?
黙り込んだ私に、美咲さんは勝ち誇った様に微笑んだ。
「瞬爾を振ったのは私なんだから。それもプロポーズを断ったことで、関係が終わったの」
プロポーズを断った!?
瞬爾が美咲さんにプロポーズをしていたなんて、ショック過ぎる。
とはいえ、ここで負けるわけにはいかない。
「それが本当だとしても、プロポーズを断った美咲さんを、今さら瞬爾が受け入れるはずもないと思います」
何とか負けじと、こちらも言い返した。
さっきは、まんまとノックアウトされたのだから、やり返さなければ。
だけど美咲さんは、そんな私の気持ちをお見通しの様で、挑発した笑みを浮かべ続けている。
「あなたから結婚を迷われて、瞬爾はよりあなたに執着してない?」
「えっ?それは•••」
美咲さんの鋭い指摘は、瞬爾をよく知っている証拠だ。
次は何を言われるのだろう。
そう思うと、自然と身構えていた。
すると、そんな私を美咲さんは笑った。
「私にもそうだったのよ。だから、あなたにもそうなのかなって思っただけ。そんなに身構えなくても」
「身構えますよ。美咲さんは、本当によく瞬爾のことを知っているんですね」
そう言った私に、美咲さんは半分呆れた様に言ったのだった。
「逆に、あなたは何も知らないのね」