わたしから、プロポーズ
「離婚!?」
思わず声が裏がえってしまった。
離婚だなどと、新婚の和香子から聞くには違和感がありすぎる。
「うん。だって、このまま一緒にいて何になるの?私は、結婚に幸せを感じたかったのに」
「幸せ?」
「そうよ。莉緒も一緒だと思うけど、好きな人と一緒にいられるだけで幸せじゃない?結婚をするという事は、それが永遠に続くって事。それが叶わないんじゃ、結婚に意味はないの。私は彼に、ただずっと私だけを愛して欲しかったのに」
和香子の言葉は、私には衝撃的だった。
だって、私が忘れていた事を当たり前に話したのだから。
そうだ。
私は瞬爾がただ好きで、その瞬爾とずっと一緒にいたかったのだ。
今まで、どれだけ愛情を感じられただろう。
その愛情は、いつだって私を包み込んでくれた。
それを、ずっと感じていたい。
だから、瞬爾と結婚したいと思ったのに、なぜ忘れてしまったのだろう。
「ねえ、和香子。二人の事を言える立場じゃないけど、旦那さんとしっかり話し合って決めてね」
離婚だなんて、切なすぎる。
旦那さんだって結婚を決めた時は、間違いなく和香子を好きだったはずだ。
「うん。約束する。やっぱり、莉緒に聞いてもらって良かった。きっと、ちゃんと聞いてくれると思ったから」
和香子の小さな笑顔に、心から幸せを願った。
そして、私ももう一度、瞬爾と話し合おうと思ったのだった。