わたしから、プロポーズ
今週末…?
祝日ではないし、誕生日でもないし…。
何だったっけ?
頭の中で、あれこれ考えてみたけれど、答えは見つからない。
すると、瞬爾が苦笑いをした。
「俺たちが付き合った日だよ。やっぱり、そんな事を覚えてる俺は、女々しいのかな?」
小さくため息を漏らした瞬爾に、慌ててフォローをする。
「違うの!ごめんね。私がすっかり抜けてただけで。覚えてくれていたなんて、嬉しい」
すると、瞬爾は少し恨めしそうに私を見た。
「本当か?」
「本当よ。忘れてた私が間違ってたんだから」
肝心の告白された日を忘れるなんて、どうかしてる。
3年前の今週末、私は終業後のオフィス内で、瞬爾に告白をされたのだった。
確か、あの日は瞬爾から残業を命じられていたんだっけ。
憧れの伊藤主任との仕事に、張り切ったのを覚えている。
そして、誰もいなくなったオフィスで、私は告白をされたのだった。
『いつの間にか坂下を、部下ではなく一人の女性として見ていた』と…。
そう告白されたのだった。
「懐かしい…。確かあの夜…」
思い出しながら、恥ずかしくなってくる。
言葉を途切れさせた私に、瞬爾は優しい笑顔でフォローした。
「俺は、莉緒にキスをしたんだよな。止められなかったのを覚えてる。莉緒からOKの返事を貰って、信じられないくらいだったよ」