わたしから、プロポーズ


そりゃ、そうだろうと言わんばかりに、瞬爾は呆れている。

「よく言えたな。恥ずかしくなかったか?」

「全然。むしろ、ありがとうとも伝えたもん。お陰で、瞬爾と燃える夜を過ごせたって」

意地悪く笑うと、瞬爾は顔を赤らめて睨んだ。

「莉緒、ロンドンに着いたらお仕置きだからな」

「えっ!?」

今度はこちらが目を丸くすると、瞬爾は手を握って少しだけ私を引き寄せる。
そして、耳元で囁いたのだった。

「本当は、ここでキスしたいところだけどやめとく」

「もう。そんな事ばっかり•••」

照れ隠しに睨むと、瞬爾は笑みを浮かべた。
そして、握られた手には力をこめられたのだった。

「莉緒、これからは真っ先に俺を頼れよ。どんな時でも、必ず支えになるから。小さな悩みでも、話して欲しい」

「うん。ありがとう。ずっとずっと、側にいてね。私を愛してね」

「ああ、もちろんだ。俺が愛してるのは、莉緒だけだよ」

頭を瞬爾の肩に寄せ、目を閉じた。
私たちは、新しい未来へと向かっていく。
それはもう、迷う事などない未来だ。
例え、どんな悩みが生まれようとも、隣にいるのが瞬爾なら乗り越えられる。

「莉緒、寝たのか?」

「ううん。見てたの。私たちの新しい未来を」

目を閉じても見える、幸せの未来。
私たちは結婚をして、その未来へと進むだけ。
お互いが幸せになる為に。
お互いを幸せにする為に。

今、そのスタートラインにいる。
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