わたしから、プロポーズ
瞬爾もきっと応援してくれるはず。
『凄いな。頑張れよ』
そう言ってくれるはずだ。
だけどその期待とは反対に、瞬爾は明らかに不快な顔をした。
「英語が話したいなら、俺が教えてやるよ。それより莉緒には、他にやる事があるだろ?」
そして、冷たくそう言ったのだった。
「他にやる事って?」
ネクタイを外しながら、着替えに部屋へ入って行く後ろ姿に向かって聞いたけれど、それ以上は何も答えてくれなかった。
何で?
何で、瞬爾は応援してくれないの?
絶対に、私を応援してくれると思っていたのに…。
思いもよらぬ言葉に、ただ本を抱きしめるしかなく、それ以上の事は何も言えなかった。
そして、ぎこちない空気だけが流れる中、寝る前にチェックした携帯に、ヒロくんからのメールが来ていた。
『莉緒の夢、小さくても叶えられるよ。俺はいつでも応援してる。それと俺、英語の勉強をしてるんだ』
そのメールを、返さずにはいられなかった。
こんなにタイミング良く、英語の話になるなんて、やっぱりヒロくんは私にとって大事な人に変わりない。
『私も勉強しようと思ってたの!偶然だね。お互い頑張ろうね』
そう返したメールの返事はすぐにやって来て、胸が一気に高鳴った。
『じゃあ、一緒に勉強しないか?都合のいい時間に、連絡をちょうだい』