生徒会長は魔法使い!?
『え?高尾先輩に?』
なんでだろう。
あたしがばっと顔をあげると、
遼君は体を起こし、あたしと
向き合っていた。
「…あいつ、みなみの事好きだろ?」
遼君があの時の目で見つめてきた。
魔法使いの部屋で、魔女になれと
言われた時と、同じ瞳で。
あたしは弱いんだ、その目に。
だから、遼君から目がはなせなくなって、吸い込まれてしまうんだ。
じっとあたしを見たまま、遼君が
言った。
「高尾先輩に取られたくない」
なんで?どうして?
遼君は表情一つ変えない。
『あ…あたしは、誰にも取られるつもり
ない…けど?』
「そっか…」
遼君は悲しそうな、嬉しそうな
複雑な表情をした。
そして、小さな声でこうつぶやいた。