生徒会長は魔法使い!?
廊下を抜けると空間が開けた。
「ここが最終決戦の場だ」
遼が呟いた。
「何もいないみたいだけど…」
その空間は広い決闘場のように丸い。
周りには観客席があり、360度からこの決闘場を見られるようになっている。
星空が見える。
天井が無く、空が丸見えになっている。
その時、その天井から何か黒い人が
降りてきて、地面に立った。
それは男のようだが、逆光で顔は見えない。姿は人間だ。これが悪魔なのか?
《来たな、魔法使い共。
手加減はしない。この異空間を乗っ取り、私はこの世界の神となる。
お前ら人間は塵となり消えていく》
男はかすれた声で言った。
「何でお前ら悪魔は人間界を支配しようとするんだ?悪魔にも天界があるだろう。それで充分じゃないのか」
《悪魔は力を増している。私のようなレベル5になると、この地球を支配できる程の力を持つ。それは人間よりも優れている。だから私達は人間を滅ぼし、自らが神となるのだ》
「力の差なんで関係ないでしょう?
それぞれ違った良い部分がある、
協力して生きていけば良いじゃない、
お互い満足できるじゃない」
《お互いに協力だと?
笑わせるな!お前らは魔力を悪用して悪魔を滅ぼそうとしているだろう。
悪魔には悪い者だけでなく良い者もいる》
「私達は悪魔を滅ぼそうとなんかしてない!人間界に来た悪魔を天界に返しているだけ」
《じゃあお前らは今、何をしに来たのだ?私を滅ぼすためだ。違うか》
みなみは言葉を飲み込んだ。
「それは…そっちが先に人間界を支配しようと企んだからよ」
《お互い様ということか。分かった。
それならこうしよう。この決闘場で決闘をし、お前らが勝てば私は消える…
私が勝てばお前らは死ぬ。それでどうだ》
「そんな!」
みなみは叫ぶ。
《決闘だ。負けとはつまり死を表す。
何か文句は?》
「受けて立つ」
遼は高らかに宣言した。
《よし、良いだろう》
遼が乗ったらみなみが降りるわけにはいかない。
「仕方ないわ、私も受けて立つ!」
《それでは…決闘の始まりだ》