生徒会長は魔法使い!?


廊下を抜けると空間が開けた。


「ここが最終決戦の場だ」

遼が呟いた。

「何もいないみたいだけど…」

その空間は広い決闘場のように丸い。
周りには観客席があり、360度からこの決闘場を見られるようになっている。

星空が見える。
天井が無く、空が丸見えになっている。

その時、その天井から何か黒い人が
降りてきて、地面に立った。

それは男のようだが、逆光で顔は見えない。姿は人間だ。これが悪魔なのか?



《来たな、魔法使い共。
手加減はしない。この異空間を乗っ取り、私はこの世界の神となる。
お前ら人間は塵となり消えていく》

男はかすれた声で言った。

「何でお前ら悪魔は人間界を支配しようとするんだ?悪魔にも天界があるだろう。それで充分じゃないのか」

《悪魔は力を増している。私のようなレベル5になると、この地球を支配できる程の力を持つ。それは人間よりも優れている。だから私達は人間を滅ぼし、自らが神となるのだ》

「力の差なんで関係ないでしょう?
それぞれ違った良い部分がある、
協力して生きていけば良いじゃない、
お互い満足できるじゃない」

《お互いに協力だと?
笑わせるな!お前らは魔力を悪用して悪魔を滅ぼそうとしているだろう。
悪魔には悪い者だけでなく良い者もいる》


「私達は悪魔を滅ぼそうとなんかしてない!人間界に来た悪魔を天界に返しているだけ」

《じゃあお前らは今、何をしに来たのだ?私を滅ぼすためだ。違うか》

みなみは言葉を飲み込んだ。

「それは…そっちが先に人間界を支配しようと企んだからよ」


《お互い様ということか。分かった。
それならこうしよう。この決闘場で決闘をし、お前らが勝てば私は消える…
私が勝てばお前らは死ぬ。それでどうだ》



「そんな!」

みなみは叫ぶ。


《決闘だ。負けとはつまり死を表す。
何か文句は?》



「受けて立つ」

遼は高らかに宣言した。

《よし、良いだろう》

遼が乗ったらみなみが降りるわけにはいかない。

「仕方ないわ、私も受けて立つ!」

《それでは…決闘の始まりだ》



< 240 / 253 >

この作品をシェア

pagetop