生徒会長は魔法使い!?
*⑺仕事です。*
11月上旬
「行ってきまーす!」
あたしは、少しはねた髪の毛を
鏡で確認した後、靴を履いて家を出た。
赤いチェックのマフラーを巻いて、
鞄も急いで閉める。
「やばい、遅刻しちゃう!」
道に落ちた枯葉を踏みながら、
白い息を出して走る。
タッタッ
「はぁ、やっと駅着いた。」
階段を駆け上がり、
出発間際の電車に駆け込む。
「は…は、はあ、はあ。ふぅ。」
《発車します。駆け込み乗車はご遠慮ください。プルルルルル》
あー、あたしの事だ。
ごめんなさい…
窓の外を眺め、心の中で謝りながら、
必死に息を整えた。