A-YA-KA-SHI☆バスター!!【Ⅱ】
プロローグ
【プロローグ】




 潮風の匂いと波の音。
 そして、真夜中の暗闇。
 晴れてはいるが、今夜は新月だから、月の明かりは期待出来なかった。
 その代わり、天空の星はプラネタリウムさながら、夜空のあちこちに輝いて。


「諒! 一匹そっち行った!」


 長い滞空時間を経て地面に着地しながら、振り向きざまに彩は叫ぶ。


「分かってる」


 そんな声が聞こえた次の瞬間、暗闇に閃光が走った。


「あと何匹? ・・・2匹?」
「3だ、バカ!」


 数え間違えた。
 ただでさえ彩は気配を探るのが苦手なのだ。
 だが、その間違いは命取りになる。
 彩は反射的に身を翻した。


「・・・っ!?」


 だが、アヤカシの衝撃波が彩の左腕を掠めた。
 諒が動き、右手に浮かび上がった光剣でアヤカシを消し去る。
 顔をしかめながらも、彩は再び跳躍し、諒の背後に迫るアヤカシを、右手一本で繰り出した衝撃波で消し去った。
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