A-YA-KA-SHI☆バスター!!【Ⅱ】





 次の日の朝、太陽が昇りきった頃に目が覚めた。
 持ってきた時計の類は、例外なく動かないから、はっきりとした時間は分からない。
 朝が苦手な筈の彩も、今日だけはやたらと寝起きが良かった。


「あ~よく寝た~!!」


 襖を目一杯開けて、彩は思い切り伸びをしている。
 昨日は暗くてよく分からなかったが、部屋の外は、見事な景色だった。
 遠くには山々が立ち並び、右手には渓流が流れていて、それを囲むように森が広がっている。
 朝の空気は澄んでいて清々しく、気温も春先のようなぽかぽかした暖かさだ。


「気持ちいいね!」


 彩の隣に立ち、美樹も大きく両手を広げた。
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