A-YA-KA-SHI☆バスター!!【Ⅱ】
「我の名は好きに呼ぶがいい。遠き昔から、我は色々な名で呼ばれているからな。主等とはまた見(まみ)える事もあろう。それまで、しばし静観させてもらうぞ」


 彩が首を傾げていると、いきなり美樹の身体から力が抜けた。
 ぐらりと、その身体が揺れる。
 諒が、倒れる直前で美樹の身体を支え。
 慌てて彩が駆け寄った。


「美樹!」
「大丈夫。ただ眠ってるだけだ。美樹に戻ったよ」


 諒の言うとおり、美樹はすやすや寝息を立てている。
 それを見て、彩はほっと胸を撫で下ろした。


「部屋に寝かせてくる」


 諒はそう言うと、美樹を抱き上げてリビングを出て行った。


「・・・この状況、飲み込めてんのかよ、悠」


 憮然とした表情のまま、彩は悠に向き直る。
 悠は冷め切ったコーヒーを一口飲むと、深いため息をついた。
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