A-YA-KA-SHI☆バスター!!【Ⅱ】
「気配・・・分からなかったのか? 悠」


 静かにそう聞く彩に、悠は少しだけ苦笑して。


「全く分からなかったよ。恥ずかしながらね」


 その事実に、彩は少なからず驚く。
 悠ですら、その気配に気づかなかった事。
 そして。


「さっきのアレ・・・アヤカシじゃないの?」
「少なくとも、俺達と同じ次元の存在じゃないね・・・むしろ、俺達よりももっと上の存在――」
「どんだけなんだよ」


 悠や諒も、アヤカシの中ではトップクラスの力の持ち主なのだ。
 ったく・・・と、彩はリビングのカーテンが開け放たれたままのテラス戸から夜空を見上げた。
 新月の夜は暗い。


「でもさ、アレが何だか分かってるような口振りだったよね、悠」


 窓の外を見上げたまま、彩は聞いた。
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