A-YA-KA-SHI☆バスター!!【Ⅱ】
「ありがとう・・・あの」


 まだ何か言いかけたのだが、美樹はそれだけ言うと、黙り込む。
 男は軽く手を上げて、襖に手を掛けた。
 そして彩を振り返り。


「気配、少しは感じられるようになったんだな、彩。良かったな」


 それだけ言うと、男は部屋を出て行った。
 きょとんとしてそれを見送る彩。


「そうなの?」


 美樹が聞く。


「うん、多分まだまだだけど・・・コツみたいなのは分かったよ。美樹のお母さんのおかげ、かな」
「お母さん・・・」


 美樹は、手の中のかんざしを見つめた。
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