A-YA-KA-SHI☆バスター!!【Ⅱ】
「帰るんだな?」


 おトキさんは、腰の後ろで手を組んだいつものスタイルのまま、そう言った。


「はい、お世話になりました・・・それで、これ」


 美樹は、おトキさんにかんざしを手渡す。


「お礼じゃないけど・・・貰って頂けますか?」
「これは美樹、今となってはお前の母親の形見じゃろうに・・・貰う訳には」
「いいんです。わたしは、おトキさんが持っていた桜貝の片割れを貰いましたから」


 そうか、と、おトキさんは目を伏せた。


「お前の母親と遊ぶのが、わしも大好きじゃった・・・」


 感慨深げに呟くおトキさんに、美樹は微笑んだ。
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