A-YA-KA-SHI☆バスター!!【Ⅱ】
「向こうから帰ってきてから、ずいぶん感覚が鋭くなったみたいだな」
「うん。ちょっとしたコツを掴んだからね。美樹のお母さんのおかげかな」


 諒は笑って、持ってきた上着を彩の肩にかけてやる。


「風邪引くぞ」
「ありがと」


 そのまましばらく、2人は黙って海を眺めていた。


「気持ちいいね」
「あぁ。今夜は静かだしな」


 そう言われて、彩はビールを一口飲みながら、諒を見つめる。
 彩は少し、この静けさが気になっていた。


「あのさ、諒。あたしが向こうに行って感覚が鋭くなったみたいに、美樹の力も強くなったりしてない?」


 悠と諒が感じていた事を、彩も感じていたらしい。
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