A-YA-KA-SHI☆バスター!!【Ⅱ】
「向こうに帰って何をしてるのか、ホントに分からないの?」
「そういう事になるな」


 彩の質問に、諒は真面目に頷く。
 元々、諒が嘘やごまかしを言うタイプではないという事は、彩もよく知っている。


「・・・まぁ結局はさ、聞いたって分かんないって事だよね。あたしはアヤカシの世界には行けないんだし」
「俺は、おトキさんがいる世界には行けないけどな」


 吸い終わったタバコを空き缶に押し込みながら、諒は言った。


「どうだった、向こうは?」
「うん、凄くいいところだったよ。自然は豊かだし、温泉は気持ちいいし、メシは旨いし」
「旅行かよ」


 諒は笑う。
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