A-YA-KA-SHI☆バスター!!【Ⅱ】
「ホントに・・・何もなかったのかよ?」


 そんな彩を、訝しげに見つめる諒。
 彩は海を見つめたまま答える。


「・・・何もなかったよ」


 頑固な彩の事だ、これ以上聞いたところで話してはくれないのだろう。
 諒は質問を変えた。


「普通の人間に戻って、どうだった?」


 そう聞かれて、彩は少しだけ考えて。


「うん、少し嬉しくて・・・で、少し寂しかった」


 こっちに向き直り、彩はそう言って笑う。
 その言葉が意味する本当の事は、分からなかったが。
 寂しいという気持ちには、諒は共感できた。
 だから諒は、そんな彩の肩に腕を回して引き寄せて呟く。
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