A-YA-KA-SHI☆バスター!!【Ⅱ】
 もう既に、悠はともかく彩や美樹の身に何か起こっている可能性だってある。
 諒は走り出す。
 気配が感じられないのなら、この校舎を片っ端からしらみつぶしに探すしかない。
 ただ不思議な事は、もしもこの校舎全体が結界に包まれているとしても、諒の能力自体は何の支障もなかった。
 だが、結界を張っている気配もなく、みんなの気配だけが感じられない。
 こんな風に作用する結界を、諒は見たことがなかった。


「こんなもん作れるなんて、相当なヘタレか相当な手練れだな」


 1人ごちて、諒は仲間の姿を探す。



☆  ☆  ☆



 いつの間にか、美樹は屋上に来ていた。
 目の前に立っている、1人の男を睨み付けながら。
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