A-YA-KA-SHI☆バスター!!【Ⅱ】
 ステージ上には誰も居なくなり、観客席の一番前の席に座った悠は、両腕に絡みついている女の子たちに声を掛けた。


「そろそろ、離してくれるかな?」


 それでも女の子たちは、にこにこしながら悠にくっついたままだった。
 悠は苦笑する。


「もう充分でしょ。俺の力を、こんなに吸い取ったんだから・・・」


 普段よりも低い声。
 悠の右腕を掴んでいた女の子は、ペロリと舌を出した。


「お見通しという訳か」


 見た目は女子高生なのに、その声はしわがれた老婆のようだった。
 だがもう既に、その表情は人間のものではない。


「あぁ、気付いた時には遅かったけどね。で、離してくれるのかな?」


 変わらずの穏やかな口調だったが、悠の表情は硬かった。
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