A-YA-KA-SHI☆バスター!!【Ⅱ】
 予想出来なかった事ではないが、深夜までアヤカシを退治していた彩は、案の定美樹の部屋で眠りこけているのだ。
 悠は苦笑しつつも、美樹に昨夜の記憶が一切ないのを確信した。
 そして、美樹の能力への影響も、今のところ本人には全く自覚がない。
 敢えて本人に聞いて下手にショックを与えても仕方がないし、ここは黙っておく事にする。
 記憶がなくて良かったと言えば、良かったが。
 まだ、油断はならない。


「悠くん?」


 少し険しい顔で黙り込んでしまった悠の顔を覗き込むようにして、美樹が声をかけた。


「え? あぁ、何でもないよ。食欲、ある? 何か作るよ」
「悠くんが作ってくれるものなら、何でも!」


 悠は笑って、キッチンに向かった。
 そこへ、ドタバタと彩がリビングに入ってくる。
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