A-YA-KA-SHI☆バスター!!【Ⅱ】
「悠、あたしは諒拾ってから行くから、美樹は任せたよ」
「分かった」


 そう返事をしてから、だけど・・・と、悠は言葉を続けようとした。
 が、最後まで聞かずに彩は走り出す。
 まだ完全に実体化を取り戻すほど、体力は回復してはいない。
 だが実体化を解いているおかげで感覚が鋭くなっているのと、結界を完璧に取り除いた今は、美樹の居場所はすぐに分かった。


「屋上か」


 ステージ左手、彩が飛び降りてきた校舎の屋上。
 悠の今の状態では、女子高生たちにはその姿は見えない筈だ。
 いちいち校舎の中に戻っていては時間がかかるし、美樹のすぐ近くにアヤカシの気配がある。
 無駄なタイムロスをしたくなかったから、悠はそのまま宙に浮かび上がり、直接屋上を目指した。
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