A-YA-KA-SHI☆バスター!!【Ⅱ】
 美樹本人が、どうしたらいいのか分かっていないのだ。
 このままでは校舎が崩壊するどころか、美樹までも自分に飲み込まれてしまう。
 それだけは、避けたかった。


「大丈夫だよ」


 美樹を真っ直ぐに見つめ、悠はその髪の毛を撫でた。
 一瞬でもこの手を離したら、美樹が遠くに行ってしまいそうで。


「ずっと一緒だって、言っただろ?」


 髪の毛を撫でていたその手に、少し力を込めて。
 絶対に離さない。
 せっかく出会えた、悠にとって、諒と彩にとっても、かけがえのない美樹を。


「絶対に、離さないから」


 悠は、美樹の頭を自分の方へ引き寄せて、唇を重ねた。
 一筋の風が吹き、美樹の長い髪の毛が宙に舞い上がる。
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