A-YA-KA-SHI☆バスター!!【Ⅱ】
「あの時わたしね・・・確かに言ったのよ。誰に向かって口を聞いている? って」
「・・・・・・」


 諒は黙っていた。
 普段の穏和な美樹なら、絶対に言わない言葉使い。


「まるで知らないわたしがいたの。わたしの意識はあるし、あの時の光景もはっきり覚えてる。だけど」


 美樹はそこで、言葉を区切った。
 シンクに置いたままの美樹の手が、微かに震えていた。
 諒には、美樹のその言葉の先が分かるようだった。


「力を使っている時のわたしは、まるで別人だった・・・」


 美樹は、その事実に怯えている。
 もしかして、冷徹なこの自分が、本当の自分なのだろうか。
 今まで知らなかった殺意剥き出しの自分が、信じられなかった。
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