A-YA-KA-SHI☆バスター!!【Ⅱ】
「今回は、諒にいいとこ取られたな」
「なぁに、それ?」
「何でもないよ」


 悠にしては珍しく、苦笑しながらもカウンターに頬杖をついて少しぶっきらぼうに言った。
 そんな悠を見て、美樹ははっとして口元に手を当てる。
 あの時、屋上で。
 暴走しかけた美樹の力を抑える為に・・・。


「あっ・・・あの、悠くん・・・?」


 声を掛けてみたものの、何を言っていいのか分からない。


「おかしいよね。俺達はアヤカシなのに」


 悠は言いながら、コーヒーカップを弄んでいる。
 美樹は黙って、そんな悠を見つめていた。
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