A-YA-KA-SHI☆バスター!!【Ⅱ】
「アヤカシなのに、人間を家族のように大切に思ってる。守りたい人がいる。でもそれはホントは、アヤカシにはない感情なんだ」


 アヤカシというのは、ただそこに存在するのみ。
 人間と関わる事はあるが、ここまで感情移入する事はない。
 不自然だ。
 美樹の頭の中に、学校の屋上にいたアヤカシが言った言葉が浮かんだ。
 アヤカシにはない感情。
 家族の真似事。
 アヤカシが言った言葉と、今悠が言った言葉が重なる。
 美樹は少し不安になった。
 じゃあ、あの時悠が抱き締めてくれたのは。
 そしてキスしてくれたのは、ただ、美樹の暴走を止める為だけに・・・?


「美樹ちゃん」


 そんな美樹の不安をぬぐい去るように、悠の言葉は力強い。
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