A-YA-KA-SHI☆バスター!!【Ⅱ】
 儚くて脆くて、健気で真っ直ぐで。
 そんな彩が、愛おしい。
 アヤカシにとって今まで彩と一緒にいた年月など、ほんの一瞬に過ぎないが。
 今となっては、その存在をを失うなんて、欠片も考えられなかった。
 だからいつも、こんな風に彩が倒れる度に諒は怖くなる。
 もしも、彩に何かあったら。
 もしも、彩が自分達と知り合わなかったら、何事もなく、こんな風に傷付く事もなく、平穏無事に、幸せに過ごしていけるのではないか。
 彩が傷付き、悠に癒やして貰うたびに、諒は何も出来ない自分を持て余して、いつもこんな事を考えてしまう。


「・・・これも・・・違う、な」


 そんな自分の考えを振り払うかのように、諒は伏せ目がちに、首を軽く振った。
< 262 / 416 >

この作品をシェア

pagetop