A-YA-KA-SHI☆バスター!!【Ⅱ】
「無理、しないで・・・」


 他にかける言葉が、美樹には見つからなかった。
 無理でも無謀でも、悠が、そして諒が行ってしまうのが分かっていたから。
 悠はゆっくりと首を横に振った。


「息つく暇もないって、きっとこの事だね」


 悠はそう言うと、窓の外を見つめた。
 海の方に感じる、不穏な空気。
 それに呼応するかのように、嵐はだんだん強まってきて。
 悠は一瞬、繋いだままの手に、力を込めた。
 そんな悠に、美樹はかける言葉が見つからない。
 その代わり、もう一度、美樹は自分のおでこを悠の肩にくっつけて。
 祈る事しか、出来なかった。
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