A-YA-KA-SHI☆バスター!!【Ⅱ】
 真っ暗な夜空に吹き荒れる嵐に髪の毛が煽られる。
 どきん。
 心臓が一回、大きく脈打った。
 彩はゆっくりと立ち上がり、中空を睨み付ける。
『free-time』を覆う結界の上空に現れたのは、気を失っている美樹を抱いたアヤカシだった。


「見覚えあるな、お前」


 彩は言う。
 最初に大量のアヤカシと共に現れた、アイツだ。
 実体化を解いた諒ですら敵わなかった相手。


「何してるんだお前・・・美樹を離せ」


 低い声で彩が言うと、アヤカシはフッと笑った。
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