A-YA-KA-SHI☆バスター!!【Ⅱ】
「余計な事するな! お前、一体誰なんだよ!?」
「この前言ったよな。名前なんてねぇって」


 フードの隙間からかろうじて見える口元が笑っている。


「そんなくだらねぇ事よりも、お礼の1つも言えねぇのかよ。命の恩人だぞ俺は」
「誰も頼んでないよ!」
「悲しみに打ちひしがれて悲劇のヒロインぶって、自分はこんなに悲しんでるんだって主張する為に自分で命を絶とうとするんだろ?」
「・・・っ!!」


 彩は、言葉に詰まる。


「何て短絡的で自己中な行動なんだ。だから人間ってバカだって言われるんだよ」


 フードの男は、彩を抱えたまま大袈裟にため息をついた。
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