A-YA-KA-SHI☆バスター!!【Ⅱ】
「なっ・・・何すんだ!」
「・・・お前が言ったんだろ。頭悪いな 」


 くうぅっ、と、彩はギリギリと歯噛みして。
 男は水面ギリギリまで下降して空中であぐらをかくと、クスッと笑った。


「ま、彩の事だからこの程度じゃ頭は冷えねぇと思うがな。少しはマシな思考に戻ったか?」


 水に浸かったまま、彩は目の前にいる男を見上げた。
 確かに、頭は少し冷えたらしく、さっきよりは冷静にこの男を観察する事ができる。
 この男、得体が知れない割には、何処か落ち着く。
 知らない男の筈なのに、ずっと前から知っているような安堵感がある。
 だが、それが何故なのかは、彩には分からなかった。
 少し頭が冷えた今はもう、あれこれ考えるのは面倒だ。
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