A-YA-KA-SHI☆バスター!!【Ⅱ】
 遠くでさえずる小鳥の鳴き声と、清流のせせらぎの音。
 本当に静かな空間は、こんな自然の音で溢れかえっている。
 時が止まったかのようなこの空間で、男は彩と一緒に腰まで水に浸かりながら、しばらくそのまま動かなかった。


「なっ・・・!」


 だが彩は、はっと我に返る。


「馴れ馴れしいんだよ!」


 パーカーを掴み、一本背負いの要領で彩は男を投げ飛ばす。
 男はブクブクと水に沈んだ。
 起き上がった時には、全身ずぶ濡れで。


「そう来たか・・・」


 立ち上がり、頭を振りながら、男は言った。
 その拍子に、目深にかぶっていたパーカーのフードが脱げた。
 やっとまともに見れた男のその顔を、彩は呆然と見つめて。
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