A-YA-KA-SHI☆バスター!!【Ⅱ】
 その時カタンと音がして、彩の様子を見に行っていた諒が店に戻ってくる。
 だが悠と同じで、その表情は辛そうだった。
 壁に手をついて、やっと立っている状況だ。


「諒くん・・・」
「タイミング悪いよな。ま、相手にとっちゃ絶好のタイミングなんだろうが」
「彩は?」


 諒の方に向き直り、悠は聞いた。
 伏せ目がちに、諒は答える。


「・・・まだ眠ってる。当分起きそうにないな」


 諒の言葉と同時に、夜の闇に包まれた海岸に、強い力が一気に実体化するのが分かった。
 美樹は無意識に、桜貝のペンダントを握り締めている。
 今、この状況で戦いに赴くという事がどれだけ不利なのか、美樹にも容易に想像出来た。
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