A-YA-KA-SHI☆バスター!!【Ⅱ】
 気のせいかも知れないというのは、分かっているけれど。
 母親の想いが、桜貝を通して伝わってくるような気がした。


「お母さん・・・」


 ペンダントから手を離して、美樹は顔を上げる。
 もう、涙は流れてはいない。
 誰も居なくなった、慣れ親しんだ店の中を、美樹は愛おしそうに見渡す。


「わたし、みんなを・・・守れるかな」


 桜貝が、また温かみを増した。


「そうね・・・守ってみせる」


 そう呟いて、美樹は、店のドアに手を掛けた。
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